6月6日 天気:快晴

[今日の仲間]
Fuuki-Maruki(タルタル・黒魔道士)通称フーキ
Jetsam(ヒューム・シーフ)通称ジェット

今日のお弁当
現地調達!

フーキにボディガードを頼まれて、ビビキー湾に行った。
魚を釣りたいんだけど、強いモンスターを釣っちゃうのが怖いんだって。
それで、腕っぷし自慢のあたしの出番となったわけ。
目指すは地上の楽園、プルゴノルゴ島。
噂を聞きつけたジェットが、「お宝のにおいがするぜ!」ってついてくることになった。

ウィンダスからチョコボで走ること4時間、ビビキー湾に到着。
夕照桟橋からマナクリッパーっていうイカダ船に乗り込んで、プルゴノルゴ島に向かう。
この船、釣り人向けにつくられているせいか、柵がなくてちょっとコワイよぉ。

なんと、出港した途端、マナクリッパーの案内係の人が来て、ジェットがつまみ出されちゃった!
どうやら、チケットを買わないで船に乗り込んでたらしい。
相変わらず、ジェットはせこい。
早々にしてフーキと二人旅に……。

「今日は活きのいいお魚をたくさん釣りますから、よろしくお願いしますね!」
そうそう、今日はボディガードのほかに、料理人としての任務もあるの!
この地方でしか獲れない、ビビキーアーチンっていうウニがあるんだけど、フーキはそれを使ったお寿司を食べたいんだって。
ものすごく高級な食材だから、実はあたしも食べたことがないのよね。
あたしたちミスラは、お魚なんてナマで食べるのが当たり前だけど、ほかの種族は生魚が苦手でしょ。
それを、どんな人にもナマで食べやすいように、うまくさばいてライスと一緒にしたのがお寿司なんだって。
東方から伝わったレシピで、調理ギルドに認められた人じゃないと作れないんだけど……むふふふ……あたしもこの前、やっと認めてもらえたのだ!
ビビキーアーチンを使ったお寿司のレシピも教えてもらったし、ほかの材料も持ったし、準備はバッチリ。
あとはフーキが釣ってくれるのを待つだけ。

船の上では、おいしそうなブルーテールとかが釣れたから、ちょっとつまみ食いしちゃったけど、ビビキーアーチンは釣れなかった。
それにしても、すごい絶景。
マナクリッパーは、プルゴノルゴ島行きだけじゃなくて、湾内を遊覧してるコースもあるんだって。
今度、乗ってみよう。

プルゴノルゴ島って初めて行ったんだけど、観光客に潮干狩りの道具を貸してくれる商売があるのね。
記念にやってみることにした。
フーキが釣りをしてる近くで浅瀬を掘りながら、フーキがモンスターを釣ったら退治。
潮干狩りのバケツぎりぎりの量を掘って、お店の人に持っていくと、サービスで大きなバケツに変えてもらえるんだけど、この加減がなかなか難しいなぁ。

突然、フーキがなにかを見つけたらしく、スニークをかけて走っていった。
そこには見たこともない赤いスライムが……。
「アリィさん、これ、クロットですよ! このあたりにしか生息していない珍しいスライムなんです」
見てるだけでも気持ち悪いのに、フーキはうれしそうにズブズブとスライムの中に入っていった。
「気持ちいいですよー! アリィさんも入りますか?」
そ、それは遠慮します……と、ビクビクしていたら、向こうのほうからものすごい勢いでジェットが走ってきて、スライムに斬りかかった。
「ああああ、僕のクロットに何するんですかぁ!」
「待たせたな、やっと船に乗せてもらえたぜ!」
スライムがミニクロットっていう、ちっちゃなスライムみたいなやつを落としたんだけど、使い道がよくわからないし気持ち悪いから、フーキが持って帰ることにした。

ジェットも潮干狩りをやり始めて、2人でどっちがいいものを掘れるか競っているうちに、フーキがビビキーアーチンを釣り上げた!

おなかもすいたことだし、ここでシェフ・アリィの腕前披露。
酢を混ぜたライスを整形して、パムタム海苔でぐるっと巻き、その上にビビキーアーチンの身を乗せて完成〜♪
マナクリッパーで釣れたググリュートゥーナやノーブルレディもお寿司にして、いざ試食。
うーん、おいし〜!!!!
「口の中でとろけますね!」
「うおー、におっていたお宝はコレだったのか!」
フーキとジェットにも好評で、大満足。
キレイな夕暮れを見ながらおいしい料理……最高だわぁ。

帰りは、フーキのデジョンUで一瞬にしてウィンダスに到着。
今日の戦利品を売りさばこうと、競売所を眺めていたら……。

「アリィさん! 今日拾ったミニクロット、ゼリーにできるみたいなんです! 僕、食べてみたい!」

「うわぁ、そのゼリー、すごい値段で取引されてるじゃん!
大儲けの予感……俺、しばらくプルゴノルゴ島にこもるぜ!」

こんな気持ち悪いモノでスイーツ作るのぉぉぉぉ!?

text by Takashi and Asami Watanabe 
Illustration by Mitsuhiro Arita